6月21日、土曜日。
まるで夏が一足早くやってきたような、まぶしい青空の下、今年もやってきました――どぶさらいの日。
軍手をはめて、汚れてもいい靴をはいて。
ちょっとドキドキ、でもなんだか誇らしげな顔で園庭に集まったのは、美化係のパパやママ、そしてちびっこたち。総勢40名。にぎやかな作業隊が、朝9時半を前に園庭に大集合です。
どぶさらいってなに?と首をかしげる子もいたけれど、始まってみればそこはまるで小さな工事現場。

ココナッツマットをはがして、コンクリートのふたをひょいっと開けると…
見えたのは、雨や季節が運んできた土や葉っぱたち。
その中に、かすかにミミズやダンゴムシの気配も…?


パパたちはショベルカーのごとく泥をすくいあげ、手押し車に乗せて、えっさほいさと運搬開始。
ママたちも子どもたちも負けていません。
スコップ片手に、小さなリアカーにバケツに、泥んこをわっせわっせと詰め込んでいきます。
土のお引越し先は、ふたつ。
ひとつめは、園庭に空いたくぼみたち。
雨の日には水たまりあそびの楽園になるその穴に、「ごめんね、ちょっとだけね」と声をかけながら、やさしく土を埋めていきます。

もうひとつは、お山の上。
土を積んで、水をかけて、固めていく。
でも、それをするのは、なんと子どもたち!
ぴょん! ぴょん! まるでローラーみたいにぎゅっぎゅっとお山のてっぺんを踏みしめる姿に、ママたちは「きゃー土砂崩れ!」とハラハラ、でもどこか笑顔。
そして――
「わあ!なんで消防士さんがいるの?」とびっくりするかのような子どもたちの眼差し。
見ればそこには、高圧洗浄機を持って、側溝やマットをピカピカにするパパたち。
光る水しぶきに、子どもたちの目もキラキラです。


最後は、消毒をして、新しいマットを敷いて、はい、完成。
泥んこになったシャベルも、バケツも、みんなで洗っておしまいです。




――汗をかいて、笑って、ちょっと誇らしくなって。
こうして今日も、みんなでつくった「きれいな園庭」が完成しました。
手は真っ黒。でも心は、ほら、ぴっかぴか!
また来年も、みんなでやろうね。

後日談。
翌週の雨あがり。
なんとなく気になって、園庭をのぞいてみました。
すると――あれれ?
園庭のあちこちに、見事な水たまり。

あの日、みんなで一生懸命土を運んで、埋めたはずのくぼみたちも、
また静かに水をたたえているように見えました。
「……あれ?もしかして埋まってなかったのかな」
そんな風に、ちょっとだけ苦笑い。
でも、園庭がそうなっているのを見ると、
なぜか悲しいような、嬉しいような、
なんとも言えない気持ちになります。
それでも、確かにあの時間はあって、
たしかにみんなで土を運び、笑って、汗をかいた。
そのことだけで、なんだか十分なような気もしています。
また来年、またみんなで。
園庭と向き合う一日を、楽しみにしています。
年少保護者 Kくんのお母さん・お父さん