いち共働き家庭から見た幼稚園

おしらせ/幼稚園の生活

美登里幼稚園には我が家含め、多くの共働き家庭が通っていらっしゃいます。
共働きで幼稚園ってどうなのかな?と思っていらっしゃる家庭もいるのではないかと思い、いち家庭ではありますが、「共働きの我が家から見た幼稚園」を今回のテーマとさせていただきました。

我が家はきょうだい2人が公立保育園に通っていましたが、上の子の卒園のタイミングで、下の子だけ美登里幼稚園にお世話になることにしました。緑あふれるすてきな園庭に一目ぼれ、そして「子供たちのありのままを受け止め、寄り添う」幼稚園のお考えに感銘を受けたのがきっかけでした。

とはいえ、美登里幼稚園に知り合いもいなかった我が家。転園は清水の舞台から飛び降りる大きな決断でした。いざ入園の直前には「毎日のお弁当作り、本当にやっていけるだろうか…慣れ親しんだ保育園をわざわざ離れるなんて、かわいそうなことをしたのでは…」と不安と緊張でいっぱいだったように記憶しています。

娘が年長になった今、あのときの自分に伝えたいことは「あの時舞台から飛び降りて本当によかった。あなたはよい決断をした」ということ。行事やひつじの会(PTA)の活動などで仕事の調整が必要なことはあるけれど、我が子とここまで密に関われるのは今しかないということ。年少から年長の3年間というのは、人生におけるほんの一瞬のまたたきのような、たからもののような黄金期だということ。その大切な時期を、美登里幼稚園で過ごせることに毎日感謝していること。

仕事を終え、バタバタと急いでお迎えにいったときに、園庭に敷いた小さなござに、身を寄せ合って座る先生と娘が、並んで空を見上げていたことが、なぜか心に残っています。聞くと、「けやきの木の上のほうにハチが飛んでいるね、どこに行くのかなって2人で見ていたんですよ」と。私も「ほんとだね。おうちに帰るところかな」としばし立ち止まって、黄昏の空を眺めました。
昼間は子供たちのにぎやかな声で活気あふれるお庭も、夕暮れ時はどこかしっとりと落ち着いた顔つきです。

3年間通い続けても、毎日見ても、いつも違うお庭。忙しない都心を行き交う働きバチのような私も、しばし深呼吸をして、羽を休めることができるお庭です。
自然のうつろいをのんびりと一緒に眺め、自分の子だけでなく、子供たちみんなの成長を親御様たちと共に喜び合い、たくさんの先生方に娘をかわるがわる抱きしめていただいている間に、いつの間にか私自身、幼稚園の一員になっていました。

土のついたまんまるなほっぺたも、「うれしい」を顔の全部であらわしたような笑顔も、お友達と喧嘩して悲しい涙も、ぴかぴかの泥団子を乗せた小さな手のひらも、そのぜんぶが当たり前ではなくなる日が、やがて来る。それらをひとつもこぼさず、目に焼き付けることができていただろうか。せめて残りわずかな日々を、一瞬一瞬を、大切に過ごさなければ。
感謝の気持ちと共に、そう思っています。

<年長組保護者 K.T>