それぞれのページェント 2022
2022年12月20日、美登里幼稚園が大切にしている行事、
「クリスマスページェント」が、今年も無事に行われました。
今回は各グループごとに、2部制での開催となりました。
前回はより密を避けるため、同じグループ内でも3組に分かれた3部制での開催でした。
2部制でのグループごとに行えた今回のページェントは、子供たちにとってより「仲間」を意識できるものになったのではないでしょうか。
ついに最後のページェントを迎えた年長さん。
役決めからクリスマスまで、一人一人がそれぞれの想いを抱き、仲間や保護者と共に心を育ませたことでしょう。
「それぞれのページェント 2022」は、そんな子供たちを見守る保護者の目線から、
年長の保護者8名にそれぞれのエピソードをお寄せいただきました。
「ヨセフ」を演じたS・Tちゃんの場合
”ページェントは発表会やお遊戯の類のものではありません”
初めて読んだ3年前、ページェントが子供たちの成長の場として特別なものなのだというのを感じました。
でも、”その時”が終わるまでは本当の意味は理解できないのだろうとも思っていました。
いよいよ年長の秋、美登里幼稚園のページェントという大きな船に乗り航海をしてみよう!と心から思っていました。
親としてのそれはどういうことか?と考えた時、何も口出しせず、ただ見守ることでした。
娘は年少、年中とずっと、天使をやる!と言っていました。
ところが、役決めと思われる日。迎えに行くと、「ヨセフ様になった~♪」と。
「・・・・え!?どゆこと??」
その時、頭をよぎったのは、夏ごろの卒園アルバムのお誕生日撮影のこと。
娘は写真が苦手で、この日も一人ずつ撮影するのを嫌がり逃げ回った(のを羽交い絞めにする形で写した)。。。
〝見られている”という思いが過剰なようで、周りのお母さま達に、「ちょっとこちらを見ないでむこう向いててもらって良いですか~」と、(誰も見ていないのに)過剰にお願いしてやっと映る態勢に入ったものの、すぐにタイムアウト!
幻の珍獣を撮影するようなタイミングとスピードを要し冷や汗をかいたのだった。
写真ですらああなのに、ページェントでヨセフ様?一人の役だし一番前に座るのに、何でやろうと思えたんだろう。。
まあ落ち着こう。帰って、(私が)落ち着いたころに、
「ヨセフ様になれて良かったね、楽しみだな~。あ、でもずっと天使だったのにどうしてヨセフ様をやろうと思ったの?」
「だって~ヨセフ様のところだけシールが貼られてなくて、誰もやる人いなくて大変!!!って思ったの。ページェントができなくなる!って。」
「それでやろうと思えたのね~(年中のころは、鬼ごっこ大好きなのに鬼になるのはイヤで泣いていた娘がこう成長したとは)嬉しいな、でも天使ができなくて大丈夫?」
「う~ん、そんなにヨセフ様イヤってわけじゃないし・・・」
「そうか、なら良いね!〇〇ちゃんのヨセフ様、きっとカッコイイと思うな~」
と、ここで止めとけば良いのですが、、
「あ、でも〇〇ちゃん写真キライだけどページェントは写真よりもっと大勢の人が見ているなかでやるよね、大丈夫かな?恥ずかしくない?」
口出しせず見守るつもりが、確認したくなるのを抑えられませんでした。。
が、娘はニコニコで「大丈夫、大丈夫~♪」と。一滴の不安もない表情を見て、確認するのはこれが最後にしようと決めました。
それからはページェントの話は(あまりおおごとに感じさせないように)私からはせず、いつもの日常と遊びのなかで練習を楽しめるように努めました。
しかし、練習は子供だけだから楽しくても、当日は大勢の親御さんが見ている、緊張感のある雰囲気。それを想像できていないだろう娘が、当日急に、「やっぱり恥ずかしくてできない!」とならないか、しかも一人の役だし迷惑をかけてしまわないか。。と写真のことがあるだけに内心不安がよぎっていた。
次の日、降園時に公園でお友達3人と遊んでいると、自然とページェントごっこが始まるも、娘だけスーっと遠くの方へ行き、参加しない。
どうしたの?一緒に歌うの聞きたいな。と促すと、「だって(お母さん達が見てて)恥ずかしいもん」
やはりか・・・3人ほどの母親達の前で恥ずかしくてクリスマス当日どうなるの?!(不安が確信に)
帰宅後、「お母さんには練習見せてくれるよね」と言うも、「やだよ」(私だけでも?)
ついにセリフや練習を一度も見ることなく(鼻歌は時々見かけましたが)、台本もまっさらなまま当日に。
まあしかし、美登里幼稚園のページェント。どんなことが起こってもあたたかく受け止めてくださる。それはきっと意味のあること。すぐには理解できなくても。
何度も自分に言い聞かせ(汗)、私も心を整えることができました。
親の心配はよそに、娘は幼稚園では楽しく練習しているようでした。
〇〇ちゃんのお歌、早く聞きたいな。と軽く声かけし見送り、皆様とは少し違った意味でもドキドキしながらその時を待ちました。
入場時の表情を見て。うん、大丈夫!と感じました。
生き生きとした姿。堂々とした声、楽しそうに歌う表情。
さて、”その時”が終わって、感じていることは、〝子供を信じれば良い”ということ。
その子の性格や独特の振る舞いを知っていればこそ、これからも様々な場面で心配が尽きないと思うけれど、子供を信じ、何が起こってもどかっと受け止める心で在ればいい。
これからの子育ての軸となるような経験をさせていただきました。
ページェントは子供だけでなく親にとっても成長の場だったのですね。
あたたかく導いてくださった先生方、そしてお友達に感謝です。
(S•Tちゃんのお母様)
「マリヤ」を演じたM・Iちゃんの場合
クリスマスページェント。
親子でとっても楽しみにしてきた行事です。
保育内に行われたページェントごっこでは、色々な役を演じてきたそうですが、
希望は最初から「マリヤ様」。
希望した役に必ずしもなれるわけではないので、もしもの時はどう伝えて見守っていくか考えていました。
役決めの時は他にも希望者がいて、子供たちが話し合った方法で決めることになりました。決める日まで、どんな方法だとみんなが納得できるか、みんなが同じくらいなれる方法は何か親子で話し合い、娘は一つ一つメモして持参しました。
それぞれのお友達の想いを先生が保護者会の時にお話ししてくださり、みんなの絶対になりたいという強い気持ちに心を打たれ、娘がさせていただけることになり、無事に役目を果たせるよう、支えて見守っていこうと思いました。
セリフの本を持ち帰るようになった頃、娘が全ての役の衣装や持ち物をマネして工作をし、それを使って家でもページェントの練習をしました。
年中の時は体調を崩し当日は出席できず、ページェントの様子がわからない私のために、最初から最後まで自宅で演じ、動画に残して教えてくれました。
親子でページェント一色の日々で、今年入園予定の息子もその様子を見て口ずさむようになりました。
クリスマスの本当の意味を学び、楽しみに待ちました。
そして迎えたクリスマス当日。
早くページェントがしたいと楽しそうに向かいました。
私自身の方が緊張してあれこれ心配しましたが、入場する年少さん、年中さんに昔の娘の姿が重なり、緊張せず嬉しそうに入場する娘の姿に成長を感じ、胸がいっぱいになりました。
堂々と入場する年長さん。
どの子もすごく嬉しそうで、楽しみにしてきた様子が伝わりました。
みんなと一緒に楽しそうに演じる姿に感動し、最後の「いざうたえ いざいわえ」をみんなで歌う姿、迫力に胸がいっぱいになり、みんなで作り上げるページェントの意味がわかったような気がしました。
ページェントで子供たちが大きく成長する姿、力を見せていただきました。
娘にとって無事に役目を終え、大きな自信に繋がったと思います。
いつも子供たちの気持ちに優しく寄り添い、大きな愛で見守ってくださる先生方、いつも優しく見守ってくださる共に大切な経験をしたお友達、いつも優しく見守ってくださる保護者の皆さまに感謝いたします。
(M・Iちゃんのお母様)
「天使」を演じたR・Hちゃんの場合
秋も深まり運動会が終わると、みどり幼稚園の恒例行事・ページェントの練習が始まります。
このページェント、趣旨は神様にお捧げする礼拝ということで、浮ついて子どもの発表会呼ばわりをすると先生方から温かいツッコミをいただくことになります。
わかっていても我が子の活躍は気になるもの…そんな心を抑えつつ、努めて純粋な心でこの行事について考えてみると、特定の信仰を持たずともページェントをはじめとしたキリスト教関連行事を通じて神様の存在を感じる経験は、彼らが将来迷った時の心の支えになりうるように思います。
保護者にとってはそんな園の想いを受け止め、改めて感謝を深める、そんな行事でもあります。
子どもたちもどの程度理解して取り組んでいるのか疑問ではありますが、2学期が始まった頃から、どの役がいいかなぁ、あの役の衣装はかっこいいなぁなどなど、話題はページェントで持ちきりです。
うちの娘Rもガブリエルもいいなぁ天使もいいなぁと毎日ウキウキと幼稚園でやるページェントごっこを楽しみに登園していきました。
そして、ついに来たる役ぎめの日、ガブリエルをやりたいけど、一人しかなれないから無理かなぁなどと言っていた娘が拝命したのは、その名も天使7。
聞けば、ガブリエルは他にやりたい子が複数いたから争うことを避けたのだそう。勝ち目はない、と見越しての戦略的撤退のようです。
負けることを恐れて挑戦しないのは、彼女にとっての課題ではありますが、もし話し合いに遅れをとった場合に、天使の枠が既に埋まってしまっている可能性があったので、まずまずやりたい役がやれることになり満足しているようす。
ガブリエルに比べれば、いわゆるモブ(すいません)。目立つところの少ない役かもしれませんが、天使の衣装は可愛いし、よくみると集団の中にも、その子ならではの個性が垣間見えるのがページェントの楽しみでもあります。
兄のときの最後のページェントでは、お友だちのKちゃんの、羽ばたきからして一天使らしからぬ威厳に満ちたお姿に、らしさを感じて思わず笑みがこぼれたものです。
さて娘はどんな天使をみせてくれるでしょうか。
毎朝遅刻気味の我が家にとっては、毎日の練習に遅刻せずに行けるのか、当日は8時集合だけど起きられるのか、そんなレベルの努力の話でお恥ずかしいのですが、みんなで一つのことを成し遂げる過程において、(もちろんやむを得ない場合はありますが、)日々の練習で自分が欠けることでみんなにも迷惑がかかる、そういったことを肝に銘じて朝のお支度を頑張りました。
当日は、物々しい雰囲気に緊張してしまったのか、前の子に繋げて言うセリフがなかなか出てこない我が娘。出番を終えて、一階に座っている私と目が合ったときはこちらを伺う表情を見せたので、万一にも怖い顔に見えないよう、私の顔面の筋肉にも緊張が走りました。怖い顔をされなくて、ホッとした様子の娘でしたが、本人にとって天使7は少し苦い経験となってしまったようです。
とはいえ大好きなページェント、次はガブリエルがやりたいなぁ、羊飼いもいいなぁ、本当は宿屋がやりたかった…などなど、次のページェント?に向けて意欲をみせていました。
次は自分の本当にやりたい役に手を挙げられるようになるといいね、Rちゃん。
本当にできるものならば、みんなが思うとおりのページェントを何度でもやって叶えてあげたい&みてみたいところなのですが、やはり一度きりのこの日を迎えることに意味があるのでしょう。
当日、先頭を切って入場してくる可愛いもも組さんの羊さんをみた瞬間は、2年前のR、そして6年前の長男の姿と重なり目頭が熱くなりました(その後娘の入場以降は、ハラハラして念を送るのに忙しく、結局羊の入場が感情の高まりのピークとなりました)。
ともかくも、みどり組の大役を演じ切った娘。劇を演じるという意味では失敗だったかもしれませんが、娘がセリフに詰まったときは、お友だちも先生も参加者も、会場全体が温かく見守ってくれました。
人前で恥をかくことを恐れるRは、入園式の脱走に始まり、もも組のときは、先生やお友だちのお母さんに話しかけられたときに挨拶さえできませんでした。そんな娘が楽しそうに大きな声でページェントの歌を歌っている姿をみるにつけ、この園のおおらかさ、温かさに包まれて、Rなりに自信を深めてきたのだなぁとその成長が嬉しく、この幸いなる環境に感謝するばかりでした。
(R・Hちゃんのお母様)
「天使」を演じたK・Tちゃんの場合
11月、ページェントの準備が始まる頃、「何の役をやるの?」と聞いても「マリアかな」「導きの星かな」まだ心に決めてる役はない様子。
普段から幼稚園の出来事をあまり多くは語らず、今この瞬間を全力で楽しんでいる。
家では歌ったり踊ったりミュージカルの真似事を大声で自然と披露しているものの、恥ずかしがり屋でもあるので、ページェントがどうなるか見守っていたら、結果的に天使の役に決まった様子。
「第一希望は導きの星だったけど、希望した5人が話し合い、あみだくじで決めて他の子になった。」それに対して納得して、天使の役を家でも楽しみながら、クリスマス当日も全力でやりきった娘が見れて、誇らしく思いました。
家では一人っ子貴族で自由にやってるけど、導きの星の役にもチャレンジして結果的に決まった役を納得して全力で楽しむ娘を見れて、
もも組の頃のページェントも思い出しながら、「おねえさんになったなぁ」と、しみじみ感じて幼稚園最後の特別なクリスマスになりました。
(K•Tちゃんのお父様)
「宿屋」を演じたS・Hくんの場合
11月も下旬になり、秋のイベントが終わると、いよいよページェントに向けての準備が始まりました。
「今日、ページェントの練習で”語り手”をやったんだ~」
突然そう言われて、母はびっくり!
「え?語り手?Sが?!」と、思わず聞き返しました。
普段から恥ずかしがり屋のSが、まさか物語の進行役を選んだ??
しかしこの時はまだ、ページェントの役決め前。
いろんな役をお試ししてみて、どの役をやるのか吟味する段階です。
人前で何かをしたり、発言するのが苦手な息子がどの役を選ぶのか、それなりに心配でした。
楽しんでやって欲しいけれど、セリフに詰まって進行が止まらないか、そもそもあの厳粛な舞台でちゃんと役をこなせるのか、親としては不安要素ばかり浮かんできます。
その一方で、みどり組として最後のページェント、あの役に挑戦して欲しいな~。なんて淡い希望もあり、ついつい、「〇〇役oをやってみたら?」なんて口出ししてみたり。
そんな親の無駄な心配をよそに、最終的に息子が選んだのは「宿屋さん」でした。
なぜ宿屋にしたのか尋ねると、
「〇〇(大の仲良しのお友達)が選んだから!」と。
やっぱり自分で選んだのではないのね(笑)。と、妙に納得してしまいましたが、お友達と同じ役をやりたいと思うのも、自然な感情のひとつ。
自己主張が控えめな息子ならではかなと、色々と口出しはせず見守ることにしました。
本番までの間は、家で自然と宿屋役の歌を口ずさんだり、動きをやってみたり、意外とやる気がある様子。さらに驚いたのは、自分の役以外のセリフや歌も完璧に覚えていること!
お友達と幼稚園が終わってからも公園で、「ページェントごっこやろう!」とみんなで盛り上がり、いろんな役を演じ分ける様子は印象的でした。
そしていよいよクリスマス当日。
シーンと静まり返り、保護者達が見つめる中、緊張した面持ちで入場してきた息子。
それでも両親の居場所をしっかり確認し、手を振る余裕はある様子。(笑)
あっという間に出番になり、練習の時よりは声は小さめながらも、お友達と共になんとか与えられた役をこなすことが出来ました。
本番を終えて感想を聞くと、
「楽しかった!!」と即答していました。(即答するときは本心なのです。)
控えめな性格から、まだまだお友達の助けを借りることが多い息子。
それでもページェントの練習やクリスマス当日を通して、みんなと一緒に何かをやり遂げる喜びや楽しさを感じられたことは、また一つ息子を成長させてくれたことでしょう。
今年も大変なご時世の中、ページェントを行ってくださった先生方に感謝いたします。
(S•Hくんのお母様)
「語り手」を演じたH・Sくんの場合
美登里幼稚園での一大行事でもあるクリスマスページェント。
親としては楽しみにしていても、役は何になりたいのか聞いてもあまりにも無反応なH。
こちらの気持ちとは裏腹に、興味があまり無さそうなHに、親としては不安を抱きながらの役決めが行われました。
役決めの後、何になったの?と確認すると、語り手になったよと。
どうしてそれにしたの?と聞くと、お友達3人でなれる役だったからとのことでした。役決めまでに色んなドラマがあるのかと思っていたので、あっさりとした返答に逆にこちらが戸惑ってしまう感覚になりました。そう言えば運動会の役決めの際も、お友達3人でなれる役で決めていたので、何の役になりたいかよりもお友達と一緒であることが重要な様子。以前は自分のやりたい、なりたい事がメインだったものが、みどり組になってからは、お友達との絆が大事になってきて、その絆を大事にしたいと思えるお友達が出来たんだと改めて喜びを感じた出来事でした。
ページェントの練習がスタートし、12月になっても台詞は覚えられずにいました。自分の台詞ではなく、何故か周りの台詞を覚えてしまうH。
リズムに合わせた台詞が覚えやすい様で、宿屋さんになれば良かったと言うようになり、しまいにはページェントに出たくないと言い始めました。
きっと台詞が覚えられれば、楽しくページェントが出来るはずと思い、家で2種類の台詞をそれぞれ10回ずつ言ってからYou Tubeを見ても良いよと条件を付けさせてもらいました。始めはHも嫌嫌ながらではありましたが、2日も続けるとすんなりと覚えてしまい、子供の記憶力の凄さとやれば出来るとHも自信がついたことで、早くページェントに出たい!あと何回寝たらページェントに出れる?と言うようになりました。
またM先生にも、台詞が全部言えるようになって頑張ったんだね、と褒めて頂き、照れながらも嬉しそうにしているHの姿がありました。私もその姿を見て、嬉しい気持ちになりました。
クリスマス当日、普段なかなか起きないHがすんなりと起きました。こんなにも気持ちが入ると違うものかと感じさせられます。
そして、礼拝堂に子供達が入場し、牧師先生へのおじぎをして、こんな事も出来る様になったのかと、また衣装を着た姿の可愛らしさに何をやっても感動して早速泣きそうに。
周りのお友達も演じているのを観ては、あんなに小さかったのにとまた泣きそうに。
そしてHの出番がきて、こちらはドキドキしながら観ていましたが、楽しそうに普段通りに出来ていました。
その姿を観て、嬉しさと同時に完璧を求めるのではなく、お友達と一緒に楽しい時間、頑張る時間を共有する事が子供の成長に繋がっていくのだなと感じた瞬間でした。
その表れとして退場の際には、堂々と誇らしげな顔をしたHの姿が印象的でした。
最後にコロナ禍の中、当初は家族一人の参加だったのが二人までとして頂き、夫もHの頑張る姿が観れた、この感動を共有出来た事に、園長先生や先生方をはじめ、ひつじの会の皆様、幼稚園側に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
(H•Sくんのお母様)
「博士」を演じたT・Sくんの場合
ズバリ末っ子気質で、物事に対してとても大らかに(鈍感に?)育った息子です。
クリスマスページェントと言われても、全くピンと来ていなかったもも組時代。気の利いた女の子達がそれはもう愛らしい羊さんを演じる中、羊の帽子をかぶることすら嫌がり、のほほんとしていました。
「どうやらページェントとは多くの人前で演じる大切なものらしい」と、ようやく気付いたき組時代。
「ぼくは、セリフも歌も恥ずかしくて嫌だから、みどり組になったら、どっちもほとんどないガブリエルにする」
と言っていたのを覚えています。
そんな息子が、一体どんな風にみどり組のページェントに臨むのか、母としては興味半分・怖いもの見たさ半分だったのですが、意外や意外、ページェントごっこの始まる11月頃から、なかなかのヤル気を見せる息子の姿がありました。しかも、最初から一貫して「博士をやりたい!」と。
博士といえば、ソロで歌うシーンがあり、もちろん単独のセリフもあります。息子がそんなタイプには思えず驚いた私は、せっかく本人がやる気になっているにもかかわらず、
「博士って、一人で歌うところもあるよ?セリフだってしっかりあるんだよ。いいの?」
なんて声をかけてしまいました。
しかし、息子の答えは、
「うん、知ってる。大丈夫!だって博士がいいもん!」
とアッサリ。
何をやるのか分かった上で、それでもやりたいと言う堂々としたその様子を見て、「ああ、いつの間にか成長していたんだなあ」と思わずしみじみした私です。ほんの一年前までは、歌もセリフも嫌だと言っていたのに・・・!
冒頭でも書きましたが、そもそも息子は、何事に対しても、あれやこれやと思いを巡らせてしっかり準備をするようなタイプではありません。良く言えば「動じない」タイプで、心配性の真逆でもあるのですが、親からすれば、「一体どこまで分かっているのかしら」と、むしろ不思議に思うことも多く、時に周囲の真剣な様子を見ると、常時平然とする息子にどこか物足りなさを感じることもありました。
でも、そんな大らかタイプの息子も、真剣そのものなあの子も、不安で緊張しているあの子も、憧れの役になれずに悲しい思いをしたあの子も、みんなみんなが、大切な役をいただくページェント。
演技や歌の上手い下手、真剣味の深さなど、そんな尺度はこれっぽっちもなく、子ども達1人1人が、それぞれのペースでページェントを受け止め、理解し、それぞれの子らしく作り上げていく過程を、先生方は丸ごと大事にしてくださり、どんな子も包み込みながら練習してくださったように思います。
役決めの結果、博士の希望者が当初少なかったため、すんなりと博士に決まった息子でした。いつもの彼らしく、台本を擦り切れるほど読み込む・・・なーんて展開は全くありませんでしたが、それでも、鼻歌レベルで歌を口ずさみ、セリフも思い出したように時折唱えるなど、彼なりのペースでゆったりと気持ちを高める様子を見て、私も穏やかに見守ることができました。
そしてクリスマス当日。本番でも“動じない”息子は、急に伸びをしたり、鼻をほじったり(コラ)と、緊張とは無縁の姿を見せてくれて、その一貫した性格には、もはや感心!感動一色の周囲の中で、私一人が息子から笑いをもらっていました。一方、小さな羊の帽子すら嫌がった2年前を思えば、あの立派な博士の衣装を全身にまとい、歌もセリフも言い切ることができたとは、なんという変貌を遂げてくれたのか・・・、と胸に迫るものも。
そんな穏やかさ満点の我が家のクリスマスページェントでした。
きっと、どの家庭にもその家庭らしいドラマがあることと思います。そうしたストーリーの一つ一つが尊くもあり、愛おしくもあり、すべての子にただただ拍手!あのクリスマス当日だけでなく、そんな過程も含めて全部が「ページェント」だと感じています。それを共有できたお友達にも先生方にも心から感謝ばかり。どうかこれからも、この心温まる「ページェント」が紡がれていきますように。そう願ってやみません。
(T・Sくんのお母様)
「羊飼い」を演じたT・Uくんの場合
一人一人が主役のページェント
「今日ページェントごっこしたよ!」
その報告に、ついに最後のページェントを迎えるのかと胸が高鳴りました。
役決めでは一度目も二度目も導きの星をやったらしく「ページェントごっこ楽しい!」「導きの星に決めた!」と楽しそうに話しを聞かせてくれました。
人前に出たり、注目を浴びることが苦手なTが、よくぞ導きの星をやりたいと言ってくれた!!と家族で大盛り上がり
しかし、よく話しを聞いてみると、Tは本番があるということを理解していなくて「本番?え?みんないるの?」状態
ページェントの説明をした翌日
「導きの星をやりたい子いっぱいいてね、話し合いをしなきゃいけなくて、でも羊飼いは一人もいなかったら羊飼いやることにしたよ!」
確かに導きの星は人気だったけど、ごっこ遊びだけじゃないことを理解し躊躇してしまったのかなと、だとしたら諦めてほしくないと思い家族会議。
“本当にやりたいのなら、本当に欲しいものがあるのなら簡単に諦めないでほしい”
ページェントを通して、人生の話をしました
(完全にこちらの熱量が上回ってた瞬間)
導きの星をやりきったら、きっと大きな自信にも繋がると思うよ、そう伝えるも
「本当に羊飼いもやりたかったからいいんだ~♪」と本人はすでにシフトチェンジ済み
そして羊飼いに決まった日からというもの、寝ても覚めても「わたしは~ちいさい羊飼い~♪」息をするように歌い続ける毎日
私たち親だけじゃなく、祖父や祖母、親戚中、会う人みんなにページェントの話しをし、歌を聞かせる姿が微笑ましく、ワクワクしてる様子を見て、こちらも本番まで待ち遠しい毎日でした。
クリスマス当日
緊張と不安が入り交じる入場
もも組さん、き組さんを見て
“あー、Tもこうだったなぁ”
“大きくなったなぁ”と入場で感極まり涙
Tの羊飼いの姿、頑張ってる姿がとても誇らしく
親にならせてもらい、子育てをさせてもらい、こんな瞬間までくれる子供の尊さに胸がいっぱいになりました。
そして、約3年間一緒に過ごしてきたみどり組のお友達
もう勝手に全員の親心
みんながセリフを言う度、心の中で
”がんばれ、がんばれ、あぁよくできたね”
一人一人を抱き締めたいくらい愛おしく
終始、成長に感動しっぱなし。
みんなの頑張りを目の当たりにしたとき、ページェントは一人一人が主役で、全てが大切な役なんだということを教えてもらいました。
役決めの話し合いから始まり、練習を積み重ねる大切さ、プレッシャーや緊張を味わい本番を迎えること、その全てが自信に繋がる
退場の時の誇らしげな表情を見て
また一つ、大きな経験をさせてもらったんだなと、先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
毎日家で響き渡っていた歌とセリフ
終わったらもう聞けなくなるのかと思うと寂しかったけど、「ページェント楽しかったな~!一年生になってもやりたい!」といまだに毎日歌っています。
ちなみに、次もまた羊飼いをやるそう(笑)
それほどお気に入りの役ができてよかったね♪
我が家ではまだまだ賑やかなページェントが続いていきそうです。
(T•Uくんのお母様)